診断に使う基準をすべて公開します。どの数字をどの範囲と比べるのか、点数がどう引かれるのかを 隠しません。基準がわからなければ、結果を信じる理由もないからです。
スピード帯ごとの推奨範囲
5回の平均ヘッドスピードで帯を決め、その帯の範囲とだけ比べます。
| ヘッドスピード | 打ち出し角 (°) | バックスピン (rpm) | 入射角 (°) |
|---|---|---|---|
| 80mph 未満 | 14 – 20 | 3,000 – 4,000 | +2 – +6 |
| 80 – 90mph | 13 – 18 | 2,600 – 3,400 | +1 – +5 |
| 90 – 100mph | 12 – 16 | 2,200 – 3,000 | 0 – +4 |
| 100 – 110mph | 10 – 14 | 1,900 – 2,600 | −1 – +3 |
| 110 – 120mph | 9 – 13 | 1,700 – 2,300 | −1 – +2 |
| 120mph 以上 | 8 – 12 | 1,500 – 2,100 | −1 – +2 |
スピードが上がるほど、推奨される打ち出し角とスピンが下がっていくのがわかると思います。ボールスピードが十分なら低く打ち出してよく転がす ほうが有利で、遅ければ高く上げて滞空時間で稼ぐ必要があるからです。
範囲を外れた度合いによって判定が変わります。少し外れていれば注意、打ち出し角は3度以上 · スピンは 600rpm 以上 · 入射角は2度以上外れていれば重大と見なします。
芯に当たる率(ミート率)
- 1.48 以上 — 良好。フェース中央付近で安定して当たっています
- 1.40 – 1.47 — 注意。シャフトの長さ·重さや、グリップサイズの調整が助けになることがあります
- 1.40 未満 — 重大。インパクトの位置が中央から大きく外れていて、エネルギーの伝達効率が落ちています
画面にミート率が表示されない機器でも、ボールスピード ÷ ヘッドスピードで正確に計算できるため、自動で埋めます。
FIT SCORE はこう計算します
100点から始めて、診断項目ごとに足し引きします。肝心なのは、原因が用具かスイングかによって幅が違うという点です。 この点数は「スイングの腕前の点数」ではなく、「今使っているシャフトが自分のスイングに合っているか」だからです。
| 判定 | 用具の問題 | 用具+スイング | スイングの問題 |
|---|---|---|---|
| 重大 | −16 | −12 | −7 |
| 注意 | −7 | −5 | −3 |
| 良好 | +3 | +2 | +2 |
クラブパスがひどくアウトサイドインでも、減点が −7 にとどまる理由はここにあります。それはシャフトを替えて直す問題では なく、レッスンで直す問題だからです。逆に打ち出し角が大きく足りなければ −16 です。ロフトやキックポイントで実際に動かせる 領域だからです。
合計した結果は20点〜100点に収めます。等級は85点以上でとてもよく合う · 70点以上でおおむね合う · 55点以上で改善の余地あり · 55点未満で交換の検討をおすすめです。
シャフトは5つの軸で見ます
- 重さ — 重いほど方向性と安定感、軽いほどスピード。ミスショットが多かったり方向が安定しなかったりするなら重く、 飛距離が出なければ軽くするのが一般的な方向です
- 硬さ(フレックス) — ヘッドスピードと、切り返しの急さに合わせます。やわらかすぎるとフェースが閉じて入り、 かたすぎると球が上がらず右に抜けます
- キックポイント — しなる位置。先調子(低いキックポイント)は弾道を上げ、元調子(高いキックポイント)は下げます。 打ち出し角が足りない人に、まず検討する項目です
- トルク — ねじれへの強さ。低いほどインパクトでフェースが回りにくく方向が安定しますが、手応えはかたくなります
- 長さ — 長いほどスピードは出ますが、芯に当たる率が落ちます。ミート率が低ければ長さを疑います
診断では、この5つをそれぞれ「今より上げるべきか下げるべきか」で判断し、その方向に合うシャフトをカタログから 探します。純正シャフトをお使いの場合は、ヘッドのモデルとフレックスを選ぶだけで、登録された純正スペックから重量を自動で埋めます。
フレックスより CPM を見ます
S フレックスは世の中にひとつではありません。メーカーごとに基準が違うので、A社の S が B社の R よりやわらかいことも よくあります。表記だけを見て選ぶとずれてしまうのは、ここに理由があります。
CPM(Cycles Per Minute、振動数)は、シャフトをクランプに固定して弾いたとき、1分間に何回 振動するかを測った値です。測定値なので、メーカーの違いを飛び越えて比べられます。低いほどやわらかく、高いほど かたくなります。フィッティングスタジオに振動数計がある理由です。
これが CPM を見るべき本当の理由です。クラブが 0.25インチ長くなるごとに、約 1.7 CPM やわらかく 働きます。 46インチで組み立てた S フレックスは、45.5インチで組み立てた同じ S より 3 CPM やわらかくなります。 フレックス表記はそのままなのに、実際に打つ感触は変わるということです。
そのため OhMyShaft は、おすすめのフレックスだけをお伝えするのではなく、ご入力いただいたクラブ長で計算した目標 CPM も合わせてお見せします。写真で行う詳細診断では実際に入力された長さを、かんたんチェックでは 標準の45.5インチを基準に使います。
フレックス別の基準振動数
ドライバーの標準長である45.5インチで組み立てたときの基準値です。
| フレックス | 44.0" | 45.0" | 45.5" | 46.0" |
|---|---|---|---|---|
| L(レディース) | 206 | 199 | 196 | 193 |
| A(シニア) | 219 | 212 | 209 | 206 |
| R(レギュラー) | 233 | 226 | 223 | 220 |
| SR | 243 | 236 | 233 | 230 |
| S(スティフ) | 253 | 246 | 243 | 240 |
| X(エクストラスティフ) | 273 | 266 | 263 | 260 |
単位は CPM。フレックス間の間隔は、下のほうが狭く(L→A 13)、上のほうが広くなっています(S→X 20)。 スイングが速い人ほど、1段階の差を大きく感じる理由です。
目標範囲であって、正解ではありません。 ±5 CPM 程度はよくある誤差で、測定機器やクランプの 方式(バット側の固定長、ティップ側の錘の重さ)によって数 CPM ずつ変わります。同じシャフトを別のショップで測れば、 数字が少し違って出ることもあります。
そして当方のカタログには、製品ごとの実測 CPM がありません。 重量とトルクしか持って いないので、「この製品は 245 CPM です」とは申し上げられません。目標の数字を持っていって、試打のときに 測ってもらうのが確実です。
SR は元の基準表にないフレックスなので、R と S の中間の値にしています。ほかの値と違い、 測定から出たものではなく、計算で埋めた値です。
基準の出典
上にまとめた5つの軸(重さ·硬さ·キックポイント·トルク·長さ)と、スイングの特性に合わせてこれを調整するという考え方は、クラブフィッティングの 分野で長く整理されてきた枠組みです。ラルフ・マルトビーの The Complete Book of Golf Club Fitting & Performance は、 その枠組みを体系的に扱った代表的な本で、診断項目を設計するときに参考にしました。
OhMyShaft は、ゴルフを本気で愛する «プルピョナン・チェガンタ»が作り、運営しています。フィッターズクラブのクラブフィッティング教育課程を修了しています。
上の表の具体的な数字は、特定の本や機関が公認した表ではありません。弾道測定器を使ったフィッティングで一般的に 通用している範囲を整理したもので、基準を公開している理由もそこにあります。 違う見方をされる専門家がいれば、 どこがなぜ違うのかをすぐ指摘していただけるように、です。
基準にご意見があればお知らせください。根拠が妥当であれば直します。
振動数の基準は、フィッターズクラブ(fittersclub.kr)の Frequency Profile チャートを参考にしました。 運営者がフィッターズクラブでクラブフィッティングの課程を修了する際に学んだ基準で、上の表はそのチャートが示す 長さ–振動数の関係を読み取って整理したものです。元のチャートをそのまま写したのではなく、必要な値だけを表に 作り直しました。
機器によって診断の深さが変わります
韓国のシミュレーションゴルフ機器には、入射角·クラブパス·ダイナミックロフトを提供しないものが多くあります。 そうした機器で測ると、診断の根拠はどうしても少なくなります。
この場合、ツールはない値を推定して埋めることはせず、空欄のままにします。 結果画面にも「重大 ○件 · 注意 ○件」のように 実際の判定件数がそのまま出るので、根拠がいくつある診断なのかを見て判断していただけます。 入射角まで出る機器(トラックマン、GCクワッドなど)で撮った写真なら、はるかにきめ細かい診断になります。